フィラピー(FIRAPY):経皮的血管形成術(PTA)の実際とその効果・問題点

By 樋口 輝美 • 08 Mar, 2019

      【血液透析患者さんのためのシャント管理とフットケアの新しい治療法】P80-81を抜粋した
樋口 輝美(医療法人社団博鳳会 敬愛病院 腎臓内科)

遠赤外線療法の一つであるフィラピー療法は、本質的には低エネルギー療法に属します。自己動静脈使用の内シャント(AVF)とは動脈と皮下静脈を直接吻合して、静脈に多くの血流を流し血管壁が厚くなり、血管腔が大きくなり、血流が増加します。またAVF が良好に発達すると、穿刺しやすくて、長期に使用できます。発達遅延しているAVF の場合は、静脈壁を繰り返し穿刺に耐えません。つまり患者にとって、AVF の発達の状況は非常に重要な因子です。

フィラピー照射のAVF 発達に対する影響の研究によると17)、臨床試験を受けた慢性腎臓病第4 期あるいは第5 期の患者122 名に対し、AVF 手術直後に新造設AVF 部位に、週3 回、毎回40 分、連続1 年フィラピーで照射しました。3 ヵ月後の血流量とAVF 発達率が増加しました(90%vs.76% AVF 発達率)。そして、AVF 失効率も減らしたと報告しております。また、フィラピーで一年続けて照射した後、一次開存率(UnassistedPatency)は未照射患者と比べて13% 高く(87% vs. 70%)、照射患者が透析中のAVF に関するトラブルが発生することが少なくなったことが観察され、AVF が発達になる期間が短くなったことが観察されました。フィラピーの効果で、AVF やAVG の開存期間が延長されれば、医療経済も含め、有益な効果が期待できると思われます。



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