フィラピー導入施設インタビュー:蓮田一心会病院

By Firapy Club • 08 Jul, 2020

     医療法人社団 愛友会 蓮田一心会病院 褥瘡管理室 藤井 渚 さん

 当院は埼玉県蓮田市にある透析専門病院で、外来ベッド96床、入院ベッド50床を有し、約370名の透析治療を行っています。フィラピーは販売が開始された2018年より導入を開始し、その後より多くの患者さんにフィラピーを照射できるように追加導入していき、現在(2020年5月時点)は5台稼働しています。

 当院でのフィラピー使用の流れですが、穿刺等の透析開始時の処置終了後より照射を開始し、30分間の照射が終了しましたら、次の患者のベッドサイドに機器を移動して新たな照射を開始するという流れを繰り返します。透析終了時間帯は照射していませんので、透析1クールあたり1台5名まで照射できます。2020年3月時点ではシャントケア目的で45名、フットケア目的で69名にフィラピーを使用しており、1ヵ月あたりの延べ照射回数は約1400回となっています。

 フィラピーの適用患者ですが、フットケアに限りますと、導入当初は主にSPP値40mmHg未満の患者に適用していました。多くの患者でSPP値改善がみられたため、SPP値40mmHg以上の患者にも適用を拡大し8~9割の患者に改善が認められました。詳細な検討内容は、第64回日本透析医学会学術集会・総会(2019年)で報告しています。また、これまでに処置が必要となるような有害事象は認められなかったことから、現在ではSPP値の低下や下肢虚血症状がみられた患者に対して第1選択としてフィラピーを早期から適用しています。適用後も悪化してしまった患者や重症の患者に対しては、フィラピーを継続しながら他の治療を併用しています。この治療方針のおかげか、フィラピー導入前は透析患者の約10%に下肢の創傷が認められていましたが、フィラピーの導入台数が増加、つまり照射可能な患者数が増えるに従い下肢の創傷を認める患者が減少し、現在は透析患者の1%程度にまでに至っています。なお、照射時に足のむずむず感といった違和感を訴えることがありますが、使用継続により改善することが多いため、治療の必要性と違和感の経過見通しを患者に説明することで継続可能なことがほとんどです。

 フィラピーは操作が簡便であり、透析時間中に治療可能であるなど、スタッフ・患者ともに負担が少ない治療法であるため、当院では必要不可欠なものとなっています。


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